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佐渡・猿八 第十回「鳥越文庫」夏季講座 試演報告26(8月30日・夕餉の刻) [佐渡猿八・試演会]

佐渡・猿八 第十回「鳥越文庫」夏季講座 試演報告26(8月30日・夕餉の刻) 

越後猿八座の座員の方達は残念ながらそれぞれご用がおありで皆さん帰ってしまわれましたが5時過ぎからもう夕食の時刻になりました。でも柏崎の霜田文子さんが夕餉に参加して下さったのはとても嬉しいことでした。

鳥越先生を囲んで大いに盛り上がったことは言うまでもありません。

私にとって興味の中心はやはり越後猿八座が演じた「越後國・柏崎 弘知法印御伝記」について鳥越先生を始め先生方のお考えを拝聴することでした。先生方の中にはお忙しい中を来て下さった方も多く、講演の後程なくお帰りになられた方もいらっしゃいました。

私達の上演について皆さんから、とても意義のある試みで素晴らしかったとの御心のこもった評価を頂けたと思います。そしてそのことは私達のこれからの活動についても大きな励みになり嬉しく思いました。

鳥越先生は私にこう仰って下さいました。

「角太夫さん、もっと淡々と語った方がよいですよ。力を入れ過ぎるところが多すぎると思います。説経浄瑠璃は祈りの芸術ですから」

とのご意見、誠に説得力のあるお教えだと感激しました。先生のお言葉を肝に銘じて精進したいと思いました。

また武井協三先生(国文学研究資料館教授)や和田修先生(早稲田大学文学学術院准教授)からは、前日29日に私の説経浄瑠璃についての矢継ぎ早の多くの質問に対して丁寧にお答え頂きました。今までの疑問点が沢山解決出来ましたし、また多くの新しい知識をお教え頂きました。上演をご覧頂いた後にも貴重なご意見を伺うことが出来ました。

「弘知法印御伝記」の六段形式の構成は、その後の義太夫節の基本となる五段形式の構成の原型が既に見えている、ということにも気付かされました。武井先生は、「説経浄瑠璃は、よくいわれてことですが、初めおかしく、中しんみり、終わり楽しくですから、楽しんで自由に語られたらいいですよ」とのご意見を頂きましたがこれもまた説経浄瑠璃の真髄を表現したお言葉だと思いました。

また翌日の猿八から両津港まで私の運転で、井上理恵先生(吉備国際大学社会学部教授)、佐藤恵里先生(高知女子大学文化学部教授)、霜田文子さんをお送りしました。車中、井上先生と佐藤恵里先生からも大変興味深い参考になるお話しを伺うことが出来ました。井上先生からは、西洋の宗教劇との比較、佐藤先生からは中世の芸能などのと比較においてのお話しを伺いました。

この講座に参加させて頂き先生方から沢山のお教えを頂きましたが、それがあまりにも多過ぎて私の凡庸な頭脳にはとても吸収出来るものではありませんでした。

私としては今回の講座で得られた私なりの結論はとても一言では表現し切れるものではありませんが、説経浄瑠璃「越後國・柏崎 弘知法印御伝記」は仏教の功徳を解く民衆教化のための宗教劇であるが、民衆を楽しますための娯楽性がふんだんに盛り込まれている、ということでしょうか。しかし裏には宗教や興行主、または寺院の思惑などもありそうです。武井先生や和田先生のお話でも、この当時には既に宗教、寺院、興行主の話し合いのなかでこういった演劇が成立していたこともあるようですし、興行的に成功すれば出版もされた、とのことでした。ひょっとして「弘知法印御伝記」という作品はその典型なのかもしれません。

またどの先生方も、「私達は研究者として文献を読んだり研究をしたりしますが、このような興味深い実演があって初めて本来の意味の研究が出来るのですから、越後猿八座の試みに感謝しなくては」とのお言葉も頂きました。

鳥越先生を始めとして諸先生方に篤く篤く御礼を申し上げます。

写真は楽しい夕餉の様子です。

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次の写真は、左から鳥越先生と和田先生、それに事務局の嶋根さんがなにやらお話しになっておられます

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佐渡でなにかあるといつも来て下さる松田祐樹さん(NPO法人 佐渡芸能伝承機構)です。今回も試演会の様子をDVDに録画して下さり大変助かりました。稽古の際に大いに参考にさせて頂いています。

そしてこの日は、ものすごく美味しい採れたてのアワビを持参して下さりました。新鮮でその味は絶品としか言いようがありませんでした。鳥越先生も感動しておられました。

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